BBS 現在の閲覧者数: ブログランキング・にほんブログ村へ ART&Culture ~美大生の気になる彼是~

ART&Culture ~美大生の気になる彼是~

 美術大学に通う雑食系男子による、日頃気になった美術書、画集、展覧会情報、雑誌などを紹介するブログです。

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2009/07/08 : アンドリュー・ワイエス Andrew Wyeth: Memory & Magic

Category :  ▼ファインアート Andrew Wyeth
tag : 
17720Worldクリスチーナの世界
↑クリスチーナ クリックすると拡大します。


ヘルガ
↑ヘルガの水彩ドローイング
  

新宿の紀伊国屋に行ったら、6階の美術書のコーナーでアンドリューY.Sの画集が平積みされていて、ポップに「追悼」と書いてありました。知らなかった。今年の一月に亡くなったんですね。長生きだなーなんて思っていたんですが。

 私にとってワイエスといえば、予備校で水彩のドローイングを見せられて「コンナ風に描くんだよ」みたいなお手本として教えられて知った画家でした。紙の白(余白)をハイライトとしていかして暗部と中部を描写するというすっきりと分かりやすい写実です。たしかヘルガ(モデルの名前)の頃のドローイングを見たのだったかな。まだ、それほど技術力が無く(とはいえ上手いですが)参考にしやすかったから選ばれたのでしょう。

 アメリカの田舎のリアリズム。ちょっと、メロドラマのワン・シーンのような大衆に訴える主題で、とても親しみやすいです。とはいえその堅牢なリアリズム描写は視線を惹きつけて止みません。ドローイングで分かるように絵の具の飛び散りやはじきなどを使っているので具象(リアリズム、写実)といえども
抽象的な〝遊び〟の部分を残しています。どうやら本人もその意識はあったようです。

 あの頃、予備校の職員部屋で見たヘルガやクリスチーナの分厚い画集が欲しいところですが、ちょっと高いので紀伊国屋でプッシュされていたまあまあお手ごろな(学生としてはちと高いですが)画集を紹介します。

最後に、彼は様々な諫言のようなものを残しているのですが、現代で写実をやる事について言った、私の好きな言葉を引用して終わります。ちょっと長いですけど


 「この絵が、たとえばニューヨークの近代美術館のような大きな展覧会場で目立つとは思いません。あなた方はもしかしたら通りすぎてしまうかもしれない。当節では何もかもが大げさに金切り声をあげているのですからね。現代の作家たちは真実を戯画化しているように私には思えるのだが、私にとって人生というものはもっとまじめなものなのです。」
                                  アンドリュー・ワイエス






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2009/06/23 : +/- [ the infinite between 0 and 1 ] Ryoji Ikeda 池田亮司展

Category :  ▼サウンドアート Ryoji Ikeda池田亮司
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puramai.jpg

もう、終了してしまいましたが、東京都現代美術館で行われていた。+/- [ the infinite between 0 and 1 ] Ryoji Ikeda 池田亮司展に行ってきました。

 人は身体を通した知覚(特に聴覚と視覚)によって外界を成り立たせています。それをデータ化したサイン波とかコンピューター上のピクセルとか、知覚できる極めて小さい単位を使って、大きく言ってしまえば、世界(空間)そのものを表現してしまおうという表現です。恐ろしくストイックでハード・コアですね。

 最初の展示室では24m×6mという巨大な壁のある部屋で、≪data.matrix〔n°1-10〕(データ・マトリクス)≫という10台に及ぶ大型モニタースクリーン、そして奥には、10数メートルはありそうな巨大壁面いっぱいに≪data.tron〔3 SXGA+ version〕(データ・トロン)≫が、展示されていました。それら二つの作品は、完全な暗闇に始まりピーとかピンとか(言葉にするとチープだな)音が、絶妙なタイミングで鳴りながら白黒グレーのモノトーンの電子世界が形成されてゆきます。平日の昼間に行ったせいか、いかにもそっち系(美術、サウンドアートとかが好きそう)な人たちがデータ・トロンの向かいの壁に寄りかかったり座り込んだり(!)していて、なんだか、ヒッピーだなぁ~なんて感じました。美術館の床に座り込むなんて奇妙ですが、そんな風に浸っていたい様な奇妙な心地よさを持った空間でした。
 データ・マトリクスの小型スクリーンのほうには、ブラックアウトした空間に星のような白い点々が空間を作るように点在していてそれを標準機で狙うような映像、そのまま空間が流れる映像とかが流れていました。それぞれの映像と音がリンクしていて、個別に見る限りでは何がその音を立てたのかはわかるのですが、目を閉じて全体で聴けば、すべて一体となった音楽として響きます。
 バーコード記号の流れのようなシーン、細かくビッシリと詰まった数字の流れなど、全体で幾つかのシーンに分かれていました。それが、美しいコンポジションでもって、高速に流れ去ります。視覚によって音楽のような構成のある抽象的な芸術を表現しようとしたのでしょうか。

 とにかく、光と闇の効果も使った展開で非常に刺激的でした。マトリックスとは数字の配列のことです。離れてみればホワイトノイズにみえるスクリーンで近づけば細かくビッシリと数字がつまっていて、それがマトリックス(連続性)をもって流れています。世の中にある電子データの最小単位は数字のピクセル一つだという事を表現しているんでしょうね。

 彼はどうやら無限の概念(日常の膨大な量の情報)をどうやって視覚化するかと考えていたらしいです。だから、すべてを把握できないような大量の数値やグラフなどを「高速化して」再生したのでしょうか。日常といったけれど、どこか特定できる日常ではなくて、まったく別の世界(非日常)ですね。

 B1の展示室に行くと、真っ白い部屋の中に≪the trancendentl(e)〔n°2-b〕(ザ トランセンデンタル)≫という真っ白い正方形の平面作品と≪the irreducible〔n°-10〕(ジ イリデュシプル)≫という真っ黒い正方形の作品が10枚並んでいます。それは純粋抽象絵画のようですが、よく見るとビッシリつまった数字で、一見絵画のようであってもその実はデータでしかないという現代の状況を表しているように思えます。


まと5


 その奥にかなり気になった作品があります。≪matrix〔5ch version〕(マトリックス)≫という作品(↑)で、五つのスピーカーが中心に向かってなにかの音波を放っているのですが、一番奥にある一台独立した五番目のスピーカーからは、ネズミを避ける機械の音のような高周波が出ていて、近くまで寄る事が出来ません出した。そのような拒絶とはどういうことなのでしょうか。その部屋は靴を脱いで上がるという指示がなされました。靴を脱ぐという行為は、くつろぐ場所である個人的、内部的な空間へ入ることを意味します。しかし、安定した内部であるはずの場所が「私に触れないで」とでも言わんばかりに音による「見えない」けれども「聴こえる」拒絶を行います。「聴こえる」とは言いましたが、音楽のような明確な音ではなくて、見えざる圧力といった感じです。拒絶と同時に、手前の四台のスピーカーからの音は、人が通ると干渉してその音色を変えます。そこを通った時には何かに触れるという感覚があります。拒絶しつつも、体の中を高周波が通過するという事によって音(別次元の空間)との関わりは維持されるのです。

+/- [ the infinite between 0 and 1 ] Ryoji Ikeda 池田亮司展

 → http://www.ryojiikeda.mot-art-museum.jp/

公式 

 → http://www.brainwashed.com/ryoji/

Ryoji Ikeda - Data.Microhelix

 → http://www.youtube.com/watch?v=2S_2r0J7bHo

Myspace

 → http://www.myspace.com/ryojiikeda


↓展覧会図録




↓池田亮司のCD








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2009/06/20 : 酒井駒子 新作絵本「BとIとRとD」

Category :  ▼イラストレーター 酒井駒子
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7e771dae.jpg

 昨日本屋に行ったら酒井駒子さんの新しい絵本が発売されてた。タイトルは「BとIとRとD」。BIRD。酒井さんの絵を見るといつも顔がにやけます。やばいな・・ 絵本だけれど大人が見ても楽しめるから辛い現実から逃げたいときにはもってこいの素敵な本だね~ 線描がほんとにこなれてて見ててスゴい気持ちいいし、テクニックが実はハンパないとこも良いです

 描かれてるモチーフとかが最近流行ってるらしい森ガール(笑)を筆頭に天然生活とかクーネルとかみづゑを愛読している草食系女子とでも言えそうな女の子が大好きな感じですね、可愛い雑貨とか小鳥とか人形とか。小悪魔アゲハ愛読者は勿論ないとしてキャンキャン、ビビあたりは微妙かな?完全な偏見です。でもそんな人と一度お友達になってみたいものです、全く。


k_sakai0809.jpg

 子猫に子供、最強の組み合わせ。可愛いとしか言いようがない。


 新作絵本はコラージュされてる絵が結構あって物質感がある感じ。コラージュされてる素材がまた森ガールズの心をくすぐるラインナップなんですよねー

 Pookaシリーズの酒井駒子特集というのもあって、これは画集なんですが、コラージュ作品もいっぱい掲載されててページ数も多い素敵な本です雑誌サイズで大きいのもグ~冬頃出た本。





それから雑誌イラストレーションのNo.177が酒井駒子特集。絵はあんま載ってなかったけどジャケ買いしちゃった。この号は嶽本野ばらが選んだ挿画/挿絵50って企画もあってこっちも面白かった。野ばらの男なのか女なのか分らない写真が載ってて雰囲気に呑まれた・・更に山口晃の技法紹介コーナーが11ページに渡り掲載されててこれも嬉しかった。

 今月のイラストレーションも酒井駒子特集で(売れっ子になっちゃった・・)酒井さんに聞く100の質問とかインタビューとかあってすごい良い特集だったんだけど、メイン特集がみうらじゅんが選んだ裸婦50(!)というとんでもない特集だったからエロい絵が満載でそのあとに酒井さんだったからなんだか汚されたような気分になりました。すごい組み合わせだね



 

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2009/06/13 : みんな大好き ハンス・ベルメール

Category :  ▼写真集 Hans Bellmerハンス・ベルメール
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 ハンス・ベルメールは言わずと知れたシュルレアリスムの人形作家。人形といっても普通の人形じゃなくて球体関節人形という美術大学の卒業展示では毎年1人は作っちゃってる、関節が球体で出来ていて自由に各部を動かせる人形のことで、ベルメールはその元ネタともいうべき人です。詳しくはウィキで。

 みんな大好きっていったのはそんな気がしただけ、僕の周りの人は好きな人多い
どういうのかというとこういう人形なんですが・・
00kk94.jpg
 これは格好良いですよねー。オタクな人や中二病っぽい人ゴスロリの人とかの感性にもろに訴えかけるようなお人形です。甲殻機動隊・イノセンスで有名な押井守も影響受けたみたい一家に一台は欲しいって感じ。ちなみに上の写真はフィルムに彩色してるので実際の人形はこんなカラフルじゃないですが。関節はこんな感じの球体で出来てます。でもまあこの人形の中で一番の発明はやっぱり腹部のでっかい球体、この球体のおかげで可能性が広がりました。

Hans Bellmer 12 - S44dNuQ
 こんな風に下半身を連結させることが出来たのもこの球体のおかげ!少女を自由に解体し自由に構築し陵辱することを可能にしたとかしないとか・・サディスティック!

3.jpg
 肉瘤にも見えるフォルムがたまりません。実物は色がついてるけど個人的には写真が一番おすすめだがや~肌色に着彩されてしまった姿はなんだかチープだし、材質が分らないがさがさして崩れそうな質感の写真のほうがアーティスティックな気がします。
Hans Bellmer 01 - XCd5oyl
 あとベルメールの人形は顔が無機質で個性がなくて良いです。現代の人形作家は顔に執着があるのかやけに自分の怨念と言うかエゴというか・・それこそ女性の作家が多い訳でなんか彼女たちの女特有の痛さみたいなのが主張しすぎていてギザ怖すー男の作家さんの方が良いな。
 
 ベルメールはデッサンも多く残しています。
bellmer.jpg
 まあ・・見ての通り非常に性的なイメージと暴力的なイメージなんですが・・ジョルジュ・バタイユの眼球譚というとっても素敵で楽しい小説の挿絵に使われたりしてます気になった人は読んでみよう!ベルメールは更に妻のウニカを緊縛した写真作品も制作、ド変態!
 今京極夏彦を読んでいてなんだかおどろおどろしい気分になっていたのでベルメールのことを書いてみた。



 この写真集は値段も手頃だしサイズも大きすぎなくてちょうどいいから持ってても損はないと思う。装丁も黒バックに金字でタイトルが入っててしゃれ乙~。ベルメールファン入門書といった感じ。デッサンは無収録で完全に人形の写真のみで構成されております。
 
 それには飽き足らなくなったら人形の写真の量も多くてデッサンや妻の緊縛写真も載った写真集もあるよ!





 シモンは人形には珍しく立派な珍がついた人形を作る大御所人形作家。澁澤龍彦の家にはシモンの作った天使が飛んでいる・・おしゃれ~


 
 それにしても、暑い・・梅雨入りしたからじめじめしてきた。学校にはチャリ通なので梅雨になると困る。レインコートを買おうかな


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2009/06/09 : 西洋美術館 「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」を見て

Category :  ▼展覧会 西洋美術館「ルーヴル美術館展
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 会期終了近くになっちゃいましたが、ルーブル展を見に行ってきました。人だらけでした。朝十時ぐらいに行ったのにもかかわらず40分待ちです。傑作が日本に貸し出される訳でもないのにね。ルーブルの名前の有名さから人が集まったんでしょうか。入場者が増えたら美術館の儲けになるのかな。っても、そのお金でいい作品ばかり呼ぶほどお金が溜まるわけじゃ無いか。

 私は、人物の写実が好きなので、そればっかり見てたので、その辺を幾つか紹介してみます。

しもんぶーえ
↑シモン・ヴーエ. Simon Vouet (1590-1649)「エスランの聖母」
美しい発色でした。画像では分かりませんが、ニスを塗ったようなキメの細かい輝きがありました。

ドルチ
↑カルロ・ドルチ(Carlo Dolci、1616年5月25日 - 1686年1月17日)「受胎告知 天使」
これも美しく、甘美な質感でした。

カルロ
↑カルロ・ドルチ / 「受胎告知 聖母」
上の「受胎告知 天使」と対になっています。

神聖な気持ちになってきちゃったかな?私はクリスチャンじゃないから分かんないけど、そんな気分になるんでしょうか。とはいえ、この甘美さは怪しげですね。西洋にある裸体の女性像なんかは「男性の視点による暴力だ」みたいな見方も出来ます。これらの絵画も「聖なるもの」で隠した欲望なんでしょうかね。肉体的な欲望を禁じたはずのキリスト教に根ざした美術とは思えぬほど、その肌(絵肌)は艶かしいです。

 そういえば、新館の改装が終わり常設展が元に戻ってました。新収蔵として、ブグローやハンマースホイがありました。




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